女子アナのキャリアと学歴 (その2)
前回の予告通り、女子アナの退職状況についてデータを紐解いていきましょう。
■調査対象 (前回のおさらい)
1993年~2012年の20年間に、
NHK/日本テレビ/テレビ朝日/TBS/テレビ東京/フジテレビの6局にアナウンサー職として新卒採用枠で入社した女性
*中途採用や記者採用からの異動は除外
人数:NHK 27名 / 日本テレビ 34名 / テレビ朝日 35名
TBS 33名 / テレビ東京 23名/ フジテレビ 44名
計 196名
■入社・退職データ分析
■入社人数の推移
憧れの職業トップクラスに位置する女子アナ。実際の入社人数はいかに。
図1.女子アナの入社人数推移
キー局といわれる民放5社+NHKでみて、最大でも年間13人。
アナウンサー職として放送局を志望する女子大学生は数千人はいると思われるので、数百倍の倍率です。記念受験組が大量にいることを考えても異常な数値です。
☆全般的考察
・景気変動が採用人数に与える影響
1999年~2005年辺りまでは本格的な就職氷河期にも拘らず、採用人数は落ち込まず、毎年各社とも1名以上の新人が入社しています。
ただ、バブル崩壊直後の1993年・1994年、国内金融混乱直後の1998年は採用人数を大きく落としています。
☆各論
・フジ:採用人数が一番多い。3人入社の年もあります
・テレ東:2000年あたりから定期採用本格化
(ちなみに2000年入社はWBSの森本さんです。)
■退職人数の推移
入社人数の次は退職人数といきましょう。
横軸は入社年次、2013年3月末時点で退職している人をカウントしています。
図2.女子アナの退職人数推移
☆考察
・フジテレビ、日本テレビの退職人数が異常に多い
毎年入社する人数は1~3人であるにもかかわらず、 殆どの年次で1人以上の社員が会社を辞めている。
・入社5年以内の離職率はゼロ
厚生労働省の調査によると、入社3年以内の離職率は28.8%。 事業規模を1000人以上に限定しても20.5%入社5年以内に限ると離職率ゼロは特異に映る。
*参照 新規学卒者の離職状況に関する資料一覧
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-17.pdf
・入社10年前後から退職者が多くなる
この年代が女子アナの結婚適齢期、寿退社が大量に出ているのではないかと推測できます。(検証はのちほど)30歳女子アナ定年説もあながち間違いではなさそうです。
■離職率の推移
各社の母集団人数が違いますので、割合で比較してみましょう。
☆考察(各社比較)
平均:31%
フジ・日テレの退職率が飛びぬけて高いことが分かりました。
朝の情報番組で活躍した女子アナが、ことごとくフリーアナウンサーになる流れとなっているので、そこまで驚きはないです。
この離職率は高いのか?
テレビ局ではない一般の大企業女性総合職と比較したいところですが、データがないのでなかなか難しいです。直感では、NHK・テレビ東京・テレ朝の離職率が一般の大企業女性総合職の離職率に近いのかなと思います。
☆考察(年度比較)
1993年~1995年、1999年~2002年、そして2005年入社の退職率が高いです。試しに一番退職率の高かった2005年入社の女性を挙げてみましょう。
2005年入社女子アナウンサー一覧
〇青木裕子(TBS) 〇新井麻希(TBS) 岡村仁美(TBS)
〇亀井京子(テレ東)〇中村愛(NHK) 久保田直子(テレ朝)
退職した女子アナには名前の前に丸印をつけています。
平井理央・青木裕子という半タレントアナが中心の世代ですが、タレント路線ではなかった女性も退職しています。
個人的にはまだ頑張っている岡村・遠藤アナが好きです。(←どうでもいい)また、結婚した直後に退職というパターンが多そうだと推測できますが、退職理由の内訳についてはまたあした以降。
!!ばっ!!<おしまいの合図>!!ばっ!!