女子アナのキャリアと学歴 (その4)
■前回の復習
退職率と寿退職率の高さにはある程度相関があるようです。
(退職率が高い・寿退職の多い)=フジ・日テレ
(退職率が低い・寿退職率が低い)=NHK・テレ朝
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■今回のテーマ
~女子アナの退職・フリー化について~
自分にはかなり荷の重いテーマですが、有名な人事コンサルタントである城繁幸氏が女子アナのフリー化について述べているネット記事があるので、そこに張り手をかますことを通して論評しましょう。
*城繁幸氏の紹介から
こんなおじさんです。 twitterアカウント @joshigeyuki
(主な主張)
・「世代間格差」の視点から、雇用や労働における格差是正。
・ 解雇規制緩和/雇用流動化/職務給化による「同一労働同一賃金」実現。
(主著)
・『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊(光文社:2004)
・『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社:2006)
・『若者を殺すのは誰か?』(扶桑社:2012)
まとめると、解雇規制の緩和をすればガラガラポンでうまくいくと主張する人事コンサルタント(?)もといメインは物書きの方です。
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そんな彼が女子アナの人事制度について述べているネット記事を発掘したので、それを読んでみましょう。
・PRWSIDENT Online >新・社会論 10年先ゆく女子アナ市場 2012年6月6日
→ http://president.jp/articles/-/6385?page=2
(要旨)
趣旨:
女子アナ労働市場は流動化という点で、
日本人労働者一般の10年ほど先を行っている。
根拠:
①フリー転身が続出し、終身雇用が崩れかけている。
②各局とも新人女子アナを絞り込むようになっている。
③職務に見合った給与で、人材を中途採用するようになっている。
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(yamachanによる批評)
根拠に対して逐次批評していきましょう。
①各局は定期的に新人アナウンサーを採用している
前回までの記事の通り、採用の絞り込みという事実は全くありません。論ずるに値しないです。google先生で分かることくらいは、きちんと調べてほしいですね。
②昔から女子アナは実質的に終身雇用を前提としていない
城氏の主張は、終身雇用の崩壊=職務給の成立、新しい働き方万歳というものです。
では、データを見てみましょう。
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確かに、女子アナの退職数はここ2年で急増しています。
要因としては城氏のいうように、TV局の給与水準が下がったことの他に、前回見たように結婚直後の退職が多かったことが挙げられます。
では女子アナは昔から終身雇用といえるのでしょうか?答えはNo!ここ2~3年の退職数は異常ですが、若くして退職し、フリーで活動するアナウンサーなど昔から多くいます。
注目すべきは、結婚を機に退職というパターンが半数を占めているという事実です。彼は、女子アナのフリー化を新しい働き方と称賛していますが、彼は、TV局が日本の悪習ともいえる寿退職を未だに量産していることにどうして目が向かないのでしょうか?
<持論>女子アナのフリー化を支える要因
先ほど寿退職は日本の悪習とまで言ってしまいましたが、女子アナの場合、退職後の働き方が普通のOLとは異なることに言及しなければいけません。
普通のOLの場合、結婚退職してしまうと、退職前のキャリアを活かすことのできる仕事を見つけることが難しい場合も少なくないでしょう。キャリアを積みにくい派遣労働者として働くこともあるでしょう。
対する女子アナは退職前に身に付けたアナウンス力・仕切り力、そして何よりも知名度を生かして、芸能界で活動することもできます。退職前に身に付けたリソースを活かし、高収入を得ることも可能ですし、社員アナ時代のような長時間勤務から開放されるかもしれません。
こう書くと、いいことづくめのようですが、フリーアナで稼げるかどうかは、本人の人気と運に左右されます。芸能人と全く同じ扱いです。
では、なぜリスクを背負ってフリーになる女子アナが後を絶たないのか?
全ての人がそうではありませんが、彼女らの夫がメジャーリーガーや外資金融マン、同業マスコミ関係者などの高給取りであるという要因が大きいと私は考えます。
そう、彼女らはフリーになっても金銭的リスクは少ないのです。
旦那でリスクヘッジをしながら、自分は好きな仕事を自分のペースで行う、そういったフリーアナウンサーが実は多数派なのかもしれません。
次回テーマは、女子アナの人材育成。
私が愛するテレビ東京の人材育成についても考えてみます。
!!ばっ!!<おしまいの合図>!!ばっ!!