yamachan blog  (社会派うどん人の日常)

コシのつよいうどんのような、歯ごたえのある記事をお届けします。

ゲンロンカフェ爆発寸前GIG~常見陽平の最強鬼畜カルチャースクール_後編~

前回に引き続き、ゲンロンカフェ爆発寸前GIG後編をお送りする。

GIGから数日経ち、私の厨二病も収まってきたので、抑え目でお送りしよう。

~ヨロシク~

 

前回内容はこちらを確認あれ。

http://social-udonjin.hatenablog.com/entry/2013/06/25/180016

  

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6/23   PM4:40 @ゲンロンカフェ

小休憩ののち、突如流れるBGM ♪♪

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もはや懐メロの 領域に足を突っ込んだkinki Kidsのデビュー曲。

切なさを感じさせるイントロにのせて、常見氏とイケダ氏の登場。

 

二人とも何故か衣装が変わっている。。

しかも、マイクらしきものを片手に持っている。。。

(これってディナーショーだったっけ…)

 

ちゃんちゃんちゃ ちゃちゃちゃちゃちゃ♪(イントロ)

 

~~~~~~~~~からの~~~~~~~~

 

まさかの二人とも歌詞ド忘れ。

ニセ光一くんとニセ剛くんは直前にカラオケ館にて1時間のリハを行ったにもかかわらず、ド緊張してしまった模様。

 

というサプライズぐだぐだで第二幕のはじまりはじまり。

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後編はサラリーマン作家の真実一郎さんがゲスト。

 

某超大企業の中間管理職(イケメン)兼ライター。

グラビア界の黒船”リアディゾン”の発掘者、"モテキ"流行の発信源はこの男らしい。

(ホントかよ)

単著は「サラリーマン漫画の戦後史(新書y)」

f:id:world_end_1999:20130524093230j:plain   f:id:world_end_1999:20130626135146j:plain     https://twitter.com/shinjitsuichiro     http://amzn.to/e2CID2

 

その著書の内容に沿ったプレゼン内容をお伝えしよう。

 

◆高度成長期 ~サラリーマン漫画の原点:源氏鶏太

昔々その昔、 源氏鶏太というサラリーマン作家がいたという。

源氏鶏太wikipedia  http://bit.ly/Jk0qsB

テーマはサラリーマンの出世・奮闘ぶりを描いたサラリーマン賛歌。

初期~中期にかけての作品は殆どが映画化され、大ヒットしたという。

作品の根底に流れるサラリーマン企業社会の特質は次の二つ。

 ①家族主義…企業は家、社員は家族

 ②人柄主義…職務能力よりも人柄(コミュ力)が出世基準

 

①:かつて日本の大企業に広く見られた風潮だが、バブル崩壊後の企業の変質によ  り随分薄れてきている。社内運動会をやるようなおかしな業界もあるがそれは稀。

②:職務専門能力ではなく、人柄(コミュ力)が重視されることは、メンバーシップ型雇用である日本的な特質である。そのことは近年の新卒就職活動を通過してきた人なら分かるだろう。50年近く前のサラリーマン出世構造もそれと本質的には同じ性質をもったものだと捉えられてきたようだ。

 

◆ポスト高度成長期 ~ワークライフバランスの萌芽:釣りバカ日誌

源氏鶏太作品では、サラリーマンはかっこいいものとして描かれていた。

しかし高度成長が止まり、公害問題による企業批判が起こるなどした1970年代。

企業と一体化するサラリーマン像に対する批判も現れた。 

 

そんな時代に登場したのが、" 釣りバカ日誌 "

 

出世に興味のない係長ハマちゃんは、ひょんなことから釣り好きという共通点をもった社長のスーさんと大の仲良しになる。先ほど触れた人柄主義の亜種のようだが、出世が唯一の道ではないことを説いたという意味では、ワークライフバランスのはしりともいえよう。

 

◆バブル期 ~高度成長期の再来:島耕作の誕生~

だが、日本は1980年代後半の経済活況により、再びイケイケドンドン、企業戦士養成社会に逆戻りする。

 

" 24時間戦えますか(リゲイン武田薬品) "

今こんなキャッチコピーのCMを流したら、2chまとめサイト等でぼろカスに叩かれるのが目に見えているが、ほんの四半世紀前にはあたりまえのこととして捉えられていたのである。

 

そんなバブル期に登場したのが、サラリーマン漫画の金字塔 " 島耕作” である。

作者である弘兼憲史は高度成長期のサラリーマン作家 ”源氏鶏太 ” の大ファンであり、サラリーマン賛歌を前面に出した作風だったという。

ただ源氏氏とは違って最初は色欲賛歌。オフィスラブしまくりの出世はどうしたの島課長状態。

しかしNY転勤編をきっかけにしてビジネス色が強くなり、島耕作は部長・取締役・常務・専務・社長・会長と出世の階段を登る。

 

会社の勢いに乗ってさえいれば、島耕作ほどではないが出世できるというファンタジーが信じられたある意味幸福な時代、それがバブル期である。

  

バブル崩壊後 ~フリーランス社員の前景化:サラリーマン金太郎

 だが、私のようなバブル期を知らない若い世代は、自分を島耕作になぞらえることはもはやできない。(コミュ力UP本・ビジネス事情本としては多少使えるだろうが…)しかも島耕作のいた初芝電機はもはや作中で存在しない。(モデルのpanasonicも赤字まみれだ…)

 

会社には依存できない、自分の能力が頼りだ!という風潮の中、バカ売れしたサラリーマン漫画といえば、" サラリーマン金太郎 "である。

主人公の矢島金太郎は大手建設会社の社員という設定でありながら、サラリーマンの枠を超え、腕っ節と人柄と能力で世界をまたにかけて様々なビジネスを成功させていく。企業に属していながらそれに依存しないという、社内個人事業主的な働き方を体現した漫画であるといえよう。

自分はサラリーマン金太郎にはなれないだろうが、社内個人事業主的な働き方に強く憧れていたし、それは今も変わらない。

  

◆' 00年代以後  ~惑うサラリーマン漫画の時代~

ここ最近の10年はサラリーマン金太郎のような代表的バリバリサラリーマン漫画は登場しなくなった。 強いていうなら女性編集者をメインに据えた " 働きマン " か?

主人公の松方は仕事に全力でぶつかるキャリアOLだが、ジレンマに陥ることもあり深く思い悩む。恋愛もうまくいかない。最後には作者である安野モヨコ自身が作品を書けない状態に陥ってしまい、現在は休載中という扱いである。

 

時代が激しく移り変わり、ワークスタイルを個人で模索せざるを得なくなった時代。漫画の主人公が理想的で紋切り型のストーリーだと白けてしまうというのもあるが、等身大で悩みをありのままにぶちまける人物の方が、今の時代にマッチしているのかもしれない。今は惑うサラリーマン(漫画)の時代といえるだろう。

 

 

サラリーマン漫画はサラリーマン像・企業社会・日本経済を映し出す鏡であるとともに、自分の仕事観を映し出す鏡だ。 みんなサラリーマン漫画を読もう!

 

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暑苦しいほど演出過剰で大盛況に終わったこのイベント。

なんと真実氏から会場の参加者全員にサラリーマン漫画を一冊プレゼント!という出血大サービスもあったのだ。

 

私のお土産は、 "いいひと(高橋しん)"

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"脱・島耕作=草食系サラリーマンのバイブル" だと個人的に思っている作品で、ベスト3に入るくらい好きな漫画。私自身、島耕作には絶対になれないし、なりたいと全く思わないが、ゆーじには強い憧れを持っている。

能力があるのかどうかよくわからないが、彼の周りは男女問わず元気になり、はたらく原点に立ち戻る。いいかえるとチームの触媒として彼は作用し、プロジェクト成功に向かって進むのである。そんなゆーじに私はなりたい。

 

だがこの漫画、好きなので既に全巻所持しているという。。。

ちょっと残念!! 

本音を言えば  " 働きマン" が欲しかった(←贅沢言うな)

 

 

!!ばっ!!<おしまいの合図>!!ばっ!!