ネット選挙という宴はなんだったのか?!
選挙特集第三弾!
昨日の参院選は与党の圧勝で終わった。
そんな日に今回解禁となった「ネット選挙」ついて考えてみた。
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◇ネット選挙にまつわる怪しいお話
・ネットの利用で投票率が上がる
・ネットの利用で候補者の選挙戦が安上がりになる
・ネットを駆使したら弱小候補でも選挙に勝てる
こんな宣伝文句を聞いたことはなかったか?
端的に言うと、この手の話には大ウソが混じっている!
・ネットの利用で投票率が上がる
⇒今回の投票率は大幅低下↓↓↓
・ネットの利用で候補者の選挙戦が安上がりになる
⇒ネット選挙を推進している電通etc.に多額のマネーが!
短期的に考えて「ネット選挙で政治が変わる」という言説は大嘘であったわけだ。(実際、まともな評論家・学者はネット選挙の効果を過大評価していなかった。)
◇ネット選挙=インターネットを使った「選挙運動」の「一部」解禁
まずは、安易に使われがちな「ネット選挙」という言葉を正確に捉える必要がある。
×:スマホやPCから投票ができるようになる
⇒ありがちな大間違い。
が、有権者の1/4程度が間違えていたというニュースが報じられていた。
〇:インターネットを使った「選挙運動」の「一部解禁」
⇒いままでは公職選挙法違反となっていた、「選挙期間中」の「選挙運動」が、法改正に伴って「一部」認められるようになった。
*選挙期間中=公示日から投票前日まで
*選挙運動=①特定の公職選挙につき、②特定の立候補者又は立候補予定者の当選のための投票を得る目的のために③直接又は間接に必要かつ有利な行為
*一部=立候補者のメールよる選挙運動は〇だが、有権者の同様の行為は×というように制限されている行為もある
◇弱小候補とネット選挙
ネットを駆使したら弱小候補でも選挙に勝てる」という言説について考えてみよう。
長期的には、その可能性は否定できない。ネット上で政策を広めて、無党派層の支持を徐々に広げることで、ジャイアントキリングを起こす事は可能かもしれない。
しかしながら、短期的には「ネット選挙」はむしろ既存の大政党そして有名政治家にとって有利になると私は考える。
「ウェブはバカと暇人のもの」で中川淳一郎が喝破したように、基本的にネットは強者のパワーを増幅するのだ。例として政治家のtwitterフォロワー数上位を挙げてみよう。
1位:橋下徹
2位:鳩山由紀夫
3位:東国原英夫
4位:蓮舫
5位 :猪瀬直樹
誰もが知っているタレント性の高い有名政治家ばかりである。
仮にフォロワー数1350(橋本徹の1000分の1)の私が無所属で立候補し、ネットを駆使して国政選挙を戦ったと仮定してみよう。
まず、ジバン・カンバン・カバンはゼロというスタート地点から大差がついている。マスコミでも泡沫候補扱いされ、政見放送以外で目立つことは困難だ。
しかもネットでの選挙活動が解禁になったばっかりに、ネット上の拡声機の大きさという新たな差まで出てしまった。勝つのは従来より困難になったのではないか?
短期的には既存の大政党そして有名政治家にとって有利になることは明らかだろう。
◇「ネットだけ」では勝てなかった、すずきかん(民主党)候補
東京選挙区(定数5) 私が一票を投じた鈴木寛候補
教育・スポーツの分野で実績を残していた現職候補であったが、次点で落選した。
彼はネットを駆使した選挙戦を戦っていた。
・政策発信の場としてのホームページ http://suzukan.net/
・ニコニコ動画での有名人との討論
・若者との討論のネット放送
・応援する有識者のtwitterによる宣伝
ポッと出でネットを活用し始めたわけではなく、10年以上の蓄積があった。
しかしながら、彼は落選した。敗因は様々だ。
・民主党に対する逆風
・政策の土台がなぜか憲法改正反対に変わっていった。
(実績があるのは教育・スポーツであるにもかかわらず)
しかし、最大の敗因は、「リアルの場で顔と名前を必死に売ろうとしなかったこと」に尽きると私は思う。
twitterでいくら有識者が宣伝しようと、ネットは閉じられたメディアなのだ。東浩紀さんや駒崎弘樹さんがいくら彼の素晴らしさを宣伝しようと、それは知識欲旺盛なネット民の表層にしか届いていないのだ。
彼はドブ板選挙が苦手だという。実際に挨拶回りばかりの選挙はナンセンスだが、残念ながらネット中心の選挙では票を取れなかった、この事実を踏まえてどのように再起を図るのか、見守っていきたいと思う。
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参考文献は「ネット選挙」解禁がもたらす日本社会の変容 。
!!ばっ!!<おしまいの合図>!!ばっ!!