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yamachan blog  (社会派うどん人の日常)

コシのつよいうどんのような、歯ごたえのある記事をお届けします。

ダンダリン最終回直前:はたらく人を応援する良ドラマ

労働基準行政

とある地味なドラマが、本日最終回を迎える。

ダンダリン ー労働基準監督官ー 水曜10時から(日本テレビ)

 

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労働基準監督官は、労働基準関係法令に基づいてあらゆる職場に立ち入り、法に定める基準を事業主に守らせることにより、労働条件の確保・向上、働く人の安全や健康の確保を図り、また、不幸にして労働災害にあわれた方に対する労災補償の業務を行うことを任務とする厚生労働省の専門職員です。

 (厚労省HPより)

 

来年からの自分の仕事がドラマに描かれるわけでワクワクしていたわけだが、出だしの第一話は最低最悪であった。

 

・ふぁーんふぁーんふぁーん♫というダッサダさなオープニング(上図参照)

・コミカルなのかシリアスなのかどっちつかずの脚本

竹内結子が全く魅力的に見えない謎のキャラ設定

・全員ほふく前進で社長を逮捕というグダグダ結末

 

追い打ちをかけるかのように、翌週からは、半沢フィーバー堺雅人・可愛いは正義・ガッキーコンビの「リーガルハイ2」が別CHの同時間帯に( ゚д゚ )( ゚д゚ )

 

打ち切りもやむなしやな。。。

 

 

ところがどっこい、回を追うにつれてドラマ内容は格段に進化していった。今の職場にベテラン社労士の先輩がいるのだが、「この前の回、よかったねえ。」と会話をするのが私の毎週の楽しみになっていった。

 

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このドラマの良さを一言で表すと、

「はたらく人応援ドラマ」という筋を通したことであろう。

    

(1)労働問題を丁寧に描いたこと

「労働」監督官ドラマなので、問題に直面している労働者と事業者を話の中心に描く必要がある。1話から振り返ると、取り上げられた労働問題は、最新のトレンドまで盛り込んだ多彩なラインナップとなっている。

賃金不払い残業名ばかり管理職/労災隠し/内定切り

退職させてくれない問題/外国人実習者問題/ブラック企業偽装請負 etc.

 だが注目すべきは、労働問題の本質を外さずに描いていることだ。

それは、「働く人がアクションを起こし、普段の行動を変えることが労働問題解決には欠かせない」ということである。

 

 

例えば、残業代未払いという問題。

お役人である監督官ができることは、以下の通り。

・事業所に立入り賃金台帳を検査し、未払いの可能性があれば是正勧告を行う。

・再度臨検を行い、是正されているか確認する。

本当に悪質な場合は、経営者を送検することもあるが、その場合も刑罰は比較的軽微なものである。

お役人ができるのはここまでで、裁判を起こすなどといったことは管轄外。

 

また、監督官が立ち入った後に経営者が考え方を改めてくれればいいのだが、そうではない場合もある。そこで第一のチェック機能を果たすことができるのが、そこで働く人たちである。例えば、「残業代もらってません」と声を上げて言えるかどうか。

(先ほど小バカにした1話のストーリーがこんな感じだったはず…)

 

監督官を含め、労働関係の専門家(労働弁護士、労働組合、労働NPOなど)はオールマイティーにはたらく人を救えるのではない。法律や組織上の制約でできることが限られている。あくまで専門家はサポーター。問題を解決する上で、労働者本人がアクションを起こし、普段の行動を変えるお手伝いをすることが本義である。

 

 

(2)働くこと ≠ スカッと爽快 だと思い出させてくれること

職業ドラマは見ていて胸がスカッとして気持ちのいいものが多い。少し昔であれば、踊る大捜査線サラリーマン金太郎、海猿などであろうか。

 

しかし、このドラマはそれとは対照的に後味の悪い結末も少なくない。

象徴的なのは労災認定の可能性を調べるために司法解剖を遺族に勧めたものの…という回。遺体を解剖したものの労災認定に繋がるような証拠は見つからず、葬儀に行った際に遺族に恨み事を言われ追い返される。そして主人公とペアの監督官(松坂桃李)は深く思い悩む…(このシーンでエンディング…)

 

だがそこがいいと私は思う。そもそも働いている間にどれだけいわゆる「ドラマのような」ハッピーストーリーが生まれるのだろうか。働くことは苦痛と葛藤を伴う。ド真面目に働けばはたらくほど、苦痛と葛藤に苦しむおそれがある。

監督官が労働者の味方だと自任したところで、必ずしも助けられるとは限らない。下手をすれば逆恨みされることもあるかもしれない。だからといってニヒリズムに陥ってしまって、「お役所仕事」と揶揄されるようなことしかできないのは悲しすぎる。

 

そんな「働くリアル」にこのドラマは向き合いながら、働き方を少しでもベターにするヒントを与えてくれる。主人公はクソ真面目でありながら、苦痛と葛藤をうまく仕事の成果に昇華させている。それは、自分の仕事がほんの少し社会を良くすることに貢献しているという実感と自覚を持っているからだ。

「自分の職務上の限界を片目で見ながら手を動かし、もう一方の目では今より少しでも良い社会を見据えて行動する」これが良き職業人としての基本スタンスではなかろうか。

 

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繰り返しますが、今日10時から最終回ですよー!

(自分はその時間は、忘年会なんですがね…え。)