「就活は恋愛に似ている」論に対する嫌悪感
『就活は恋愛に似ている』
最近、就活界隈で跋扈しているこの言説。
これに対して、私はずっと嫌悪感に近いモヤモヤ感を持っている。
曰く、就職のプロセスと恋愛のプロセスが似ているという。
共通項としては、以下のようなものが挙げられやすい。
①第一印象が大切
②相手のことをよく知っておく必要がある
③相手に気に入ってもらうために自己アピールをしなければならない
④自分の本気を伝えなければならない
個々のポイントを読んでいくと、納得できる部分は多い。第一印象が悪くて、相手のことを知ろうとせず魅力を伝えられない人は異性に好かれないだろうし、企業の内定も取りにくいだろう。
だがこれは人間関係一般に言えるもので、恋愛特有の注意事項とはいえないだろう。友人関係だってこれと同じだし、仕事をはじめてからの人間関係もなんら変わることはない。ただ、大学生はアルバイト以外の仕事を経験することは稀で、同性の友人関係について悩むことは恋愛に比べて少ないと思われる。
「大学生にとって恋愛はつきもの」という観念が、「就活は恋愛と似ている」という言説を生み出したのではないかというのが自分の仮説だ。
ここで、自分のモヤモヤはある程度、解明されることになる。
自分の大学時代を振り返ると、恋愛のウェイトは非常に小さかった。(たぶん5%未満)恋愛同調圧力のない体育会(恋愛に消極的な輩の集まり)に属していたためか、明らかに恋愛に興味がなかった。「大学生にとって恋愛はつきもの」という土台がないのに、「就活は恋愛に似ている」と指南されても、ピンとこないわけだ。そりゃしょうがない。
ところで昨今、「若者の恋愛離れ」が報道されている。
例えば、以下のオーネット(株)の調査
新成人男性の55.8%が交際経験ナシ -18.9%が「片思いの経験もない」と回答 (マイナビニュース)
統計母集団が少ないことから、確からしさに欠けるデータではある。だが、恋愛経験のない大学生は多数派ではないものの、ごく少数派ともいえないことは確かだ。
そんな大学生にとって、「就活は恋愛に似ている!」といったところでたいした指南にはならない。しかも恋愛経験に乏しいことがスティグマとなり、就職活動に前向きに取り組めない恐れさえあると私は思う。
今まで私は、「就活は恋愛に似ている」論を強調しているのは、週刊誌やネット界隈の中だけだと思い込んでいた。しかし、とうとう企業の人事採用側も、「就活は恋愛に似ている」論に食いついてきてしまったようだ。
それが電通である。
DENTSU GREETING EVENT 番外編(株)電通(マイナビ2015)
題して、就活セミナー「合コンのやり方で面接をやってみた」
なんだこれはーーー!!!!
!!ばっ!! <続く 続く> !!ばっ!!