帝京大駅伝監督に学ぶ〜トレーニングの基本のき
吾輩は社会派うどん人である。
また勉強派ランナーでもある。
私はどちらかと言えば頭から入るタイプで、ランニング関連の書籍が何冊も家にたまっているものの、練習量はまだまだという三流ランナーである。それに懲りず知識を習得すべく、帝京大公開講座「走る」「歩く」を科学するに参加してきた。
講演者は、帝京大駅伝競走部監督の中野孝行氏。
テーマは、最新の長距離走トレーニング〜サブスリー・サブフォーを目指して〜
写真は2013年箱根駅伝ゴール直前。帝京大は早大とのアンカーマッチレースを制し、4位でゴール。前年13位からの大躍進であった。(2014年は8位)
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講演は、拍子抜けするような監督の弁明?からはじまった。
【監督】
「『最新の長距離走トレーニング』と銘打っているものの、申し訳ないですが、皆さんにお伝えできるのは最新のものではないです。トレーニングは日進月歩ですから。帝京大の練習さえ最新とはいえないかもしれないですね。」
「『サブスリー・サブフォーを目指して』とありますが、これもタイトル負けしてしまうかもしれません。75分の講演では皆さんそれぞれ異なったレベルに合ったトレーニングをお教えするのはまず無理ですから。」
【自分】
え〜。まあ無料講座だし。。でも、このあとは何を話すのだ?
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このあとの講演内容は、具体的なトレーニング法というよりは、『トレーニングの基本のき』の箇所であった。どのような考え方でなんのためにトレーニングをするのかといった部分である。
中野監督がおっしゃったトレーニングの基本は、一つのことに集約される。
★継続的に競技体力を向上し続けること
当たり前のことでないかと思うだろうが、これが一番難しい。
『継続的に』という部分がポイント。ビギナーであれば練習を習慣化することが最初にして最大の難関だろうし、中級者でも怪我してしまうと継続的に練習ができなくなり、体力は低下していってしまう。
『継続的に競技体力を向上し続ける』手掛かりとして、監督はいくつものヒントをおっしゃっていたが、自分が引っかかったポイントを3つ書き留めておく。
①練習・栄養・休養のバランスを常にキープすること
大学の部活動の際に、常に気をつけていたことだが、市民ランナーの端くれになった途端に忘れてしまっていたことだ。「練習は本質的に健康を害するものだ」と中野監督はおっしゃっていた。練習後には筋肉疲労だけでなく鉄分不足になる。それを補うのが栄養と休養である。
②個別性に留意すること
トレーニングの内容は人それぞれ適したものがある。しかも同じ人でもそのときの状態によって適したトレーニングは異なる。
例えば、実業団ランナーであった者が、引退後10年してランニングを再開した時に、いきなり現役時代に近い意気込みで走ろうとしたらどうなるだろうか?当然、練習は続かない。現役時代と体重・体力・練習環境・その他諸々の事柄が異なっているからだ。まずは1時間のウォーキングから再開するほうがかえって長続きし、長期的に競技力を向上させることにつながるだろう。
③動機付けをうまく利用すること
なんのために走るのか?上述の個別性とも繋がってくるが、走る動機は人それぞれである。自らの動機付けをうまく利用しながらトレーニングを行うとうまくいきやすい。例えば、ダイエット目的なら消費カロリーをパン◯個分と換算して記録するなどといったことだ。
また、ここでいうトレーニングには栄養補給も含まれる。美味しいご飯を食べることも練習のうちであるため、大学の駅伝部では、食事の彩りや盛りつけにもこだわっている。美味しく見える食事の方が、選手も前向きに栄養摂取することができるだろう。これも動機付けの一種である。
『トレーニングの基本のき』、頭では分かっていることだが、実践できていないことが多かった。また、トレーニングの動機付けという視点は意識したことはあまりなかった。苦しい練習にいかに楽しみの要素を入れることができれば、この先、記録上の壁にぶつかっても、ランニングを辞めずに続けることができ、壁をのり越えるきっかけにもなるように感じた。
【おまけ】
H.22箱根駅伝の襷(本物)。但し本番では使われていない繰上げスタート時に用いるための襷だそうだ。
!!ばっ!!!!ばっ!!