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yamachan blog  (社会派うどん人の日常)

コシのつよいうどんのような、歯ごたえのある記事をお届けします。

〜絶対に訴えてやる!〜:日テレ女子アナ内定取消し訴訟の行く末

ここ1年ほどは硬派に淡々と労務関連雑感を書き留めていたこのブログ。

だが、実は最初の記事は総エントリー数8本にもわたる「女子アナのキャリア」論というウケを狙った俗っぽいものだったんよね。

女子アナのキャリアと学歴 (その1) - yamachan blog (社会派うどん人の日常)

 

  

そんな最初のエントリーを思い出させてくれたのは、今週発売の週刊現代が報じている、このニュースである。

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「銀座でバイト」が原因で「局アナ」内定を取り消された女子大生が日本テレビを訴えた(現代ビジネス)

 

日本テレビに来春アナウンサーとして入社予定だった女子大生が、内定を取り消され、しかもその理由が不当で裁判沙汰になっている」

そんな衝撃の事実を11月10日発売の『週刊現代』がスクープしている。

この女子大生は、ミス東洋英和にも輝いたことのある笹崎里菜さん(22歳)。彼女は裁判に至った事情を『週刊現代』に顔を出して実名で告白しているのだ。一体、彼女の身に何があったのか?

笹崎さんと日本テレビの「争点」は何か?

「独占スクープ ミス東洋英和が日テレの『女子アナ内定』を取り消された理由」というタイトルの『週刊現代』の記事の中で、笹崎さんの代理人弁護士は、同誌にこうコメントしている。
「原告は、来年の4月1日付で日本テレビに就職する予定の、いわゆる『採用内定者』でした。ところが、日本テレビ側は今年5月28日付の『内定取消通知書』をもって、一方的にその採用内定を取り消したのです。その日本テレビの行為を不服として、原告は『来年日本テレビに入社する権利がある』ことを確認する訴訟提起をしたのです」

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ここで気になるのが、日テレ側の内定取消しの理由であるが…… 

彼女がなぜ「内定取り消し」されるに至ったか?

その詳細は週刊現代に記されているが、端的に言うと「笹崎さんが、母親の知り合いが経営する銀座の小さなクラブで短期間アルバイトをしていたこと」が影響して、日本テレビ側が「内定取り消し」を決めたようだ。

笹崎さんが、裁判に踏み切るまで、「夜のクラブでのバイトがアナウンサーにふさわしくないのか」「このバイト歴を就職活動時の自己紹介シートに書かなかったのは内定取り消しの理由になるのか」など、日本テレビの人事部側と何度も話し合ったようだ。

 

これや!これや!

自分がブログを書きはじめた頃は、こんな俗っぽい話に尾ひれをつけて文章を書いていたもんだ。(恥)ただ、今回の尾ひれとしては、まじめに判例を紹介しておきましょう。

 

 

◯内定取消の判例を知っておこう

内定取消の判例といえば、労働法を少しかじった人であれば聞いたことのある

大日本印刷事件」(最高裁 昭和54年7月20日)

 

本事案は、採用内定後の卒業直前に、「グルーミーな印象を打ち消すことができなかった」という理由で、内定を取消されてしまったケースである。

グルーミーってなんやねん。。ということは置いといて)

判例の重要部分を抜粋すると…

大学新規予定者で、いったん特定企業との間に採用内定の関係に入った者は、…卒業後の就労を期して、他企業の就職の機会と可能性を放棄するのが通例であるから、…採用内定者の地位は、一定の使用期間を付して雇用関係に入った者の使用期間中の地位と基本的に異なることはない。…

採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、<①>

これを理由として採用内定を取消すことが右採用内定に留保された解約権の趣旨、目的に照して客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる。<②>

 

 

◯日テレ側の主張を推測してみよう

 裁判で双方の主張を確認しないとフェアではないのは承知しているが、上述のネット記事および元ネタの週刊現代の記事が正しいと仮定して、裁判で被告側(日テレ)が行うであろう主張を先読みしてみよう。

 

 >1.女子アナには高度の清廉性が求められるが、ホステスバイト歴はそれに反する

 >2.バイト歴を隠したという虚偽申告は、信頼を失墜させるものである

 

確かに、週刊誌に書かれている採用内定の取消事由は、「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実<①>」ではあろう。

「客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる<②>」ほどの理由といえるかどうか。。新たな事実が出てくるかもしれないので断言は避けるが、これだけでは、裁判で争うには貧弱な武器なのではなかろうか。

また、上記1の主張を強くすればするほど、ホステスという職業を貶めることに繋がる恐れがあり、報道機関としてバッシングを受けることも十分考えられる。

 

 

ただ、日テレ側が主張可能なことはまだある。

 >3.内定取消を行ったのは大学4年の5月と早い時期であり、正式内定を与えていたわけではない。よって雇用関係はこの時点で成立していない。

 

  個々の内定取消判決では、法的書面を交わす等の行為をもって、解約権留保付きの雇用契約=「内定」が成立したと判断することが多い。企業の人事部では、それまでは「内々定」と呼び、明確に区分けしていることが多い。多くの日本の大企業では内定式を大学4年の10月に行い、それと同時に法的書面を交わすことが通例となっている。

 

今回の内定取消はそれよりもかなり早い時期であり、原告も他企業への就職の機会と可能性を放棄したといえるわけでない、という主張もできないことはない。

だが、アナウンサー職は新卒就職活動の中で最も早い時期に選考プロセスが終了するもののひとつである。原告は大学3年の9月には日テレの採用を決め、翌年の3月(入社予定1年前!)には社内研修を受けていたそうである。これが事実であれば上記の主張が通る可能性は低いかもしれない。

 

さあ、裁判の行方や如何に??

 

 

◯法の世界とまったく関係ない余談を少々

日テレは「まさか元内定者が会社を訴え、週刊誌メディアで告発するようなことなんてあるはずがない」と思っていたのだろう。

だが、1年半前に同じメディア企業である共同通信にまつわる就活を巡るスキャンダルが週刊誌で大きく報じられていたのを私は覚えている。  

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「大手マスコミ」の人事部長が就活女子学生をホテルに連れ込んでいた!(週刊文春WEB)

 なんとこれは、当該就活生が週刊誌にタレコミ告発を行ったことで明るみになったことだそうだ。共同通信と目と鼻の先にある日テレが、女子大生による週刊誌爆弾攻撃を受けていたことを知らなかったはずなかろう。と考えると、日テレの対応は迂闊だったとしか言いようがないものである。

 

 

◯オチ

彼女の裁判の行方を、なまあたたかく見守るのが大人の対応であろう。

しかし、どうしても最後に突っ込んでおきたいことが。。。

もはや法律番組という看板を捨て去ったマンネリ気味のあの番組に、彼女がMC補佐として立つことが仮にあるのならば、私は彼女とそして日テレを誉め称えるだろう。

 

 

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!絶対に訴えてやる!

!(出演者側でもウェルカムウェルカム)!