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yamachan blog  (社会派うどん人の日常)

コシのつよいうどんのような、歯ごたえのある記事をお届けします。

某誌コラム「長時間労働削減の前提としての労働時間適正把握」

労働基準行政

 某労働基準協会の会報に掲載予定のコラムを転載します。

 普段考えていることを文章化して広くしらせることも監督官の仕事です。(あれ…普段からネットでやっていることと何が違うんだ…(?(゚∀゚)?))

 

長時間労働削減の前提としての労働時間適正把握」

  労働局では平成28年度の行政運営方針における最重要課題として、長時間労働削減対策に取り組んでいます。また、社会的問題として長時間労働がメディア報道される事例が急増してきており、社員の健康を守るという点はもとより、会社経営上のリスク管理という点でも長時間労働削減の重要性が増してきています。

 

 監督署では長時間労働削減を重点とした監督を日々行っておりますが、その目的達成のための大前提として、労働時間を適正に把握することが欠かせません。なぜならどれだけ立派な長時間労働削減策を立案したところで、現状の労働時間数が適正に把握できていなければその策は絵に書いた餅となってしまうに違いないからです。

 

 厚生労働省では「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」を設けています。本基準では、自己申告制は例外的な方法であり、自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて必要に応じて実態調査を実施することなどの措置を講ずる必要があると定められています。自己申告制はあいまいな労働時間管理となりやすいと考えられているからです。

 

 また監督をした際、「終業後に業務外のことを行った」などの記載とともに所定外休憩時間として計上されている帳簿を見ることも少なくありません。このような例は、PC上のシステムに基づく自己申告制を採用している場合に多く見られます。その時間は本当に業務管理下にない休憩時間なのか、休憩時間であれば何を行っていたのか、個別に把握しておく必要があると思われます。

 

 PCシステムによる労働時間管理に頼りきっていると、上司―部下間で、業務内容やその所要時間などについてのコミュニケーションが少なくなりがちです。そうすると上司が部下の状況を把握できていなければ、仮に部下が労働時間を過少申告した場合にチェックができないというリスクが増大してしまいます。上司―部下間のコミュニケーションを意識的に増やすことは、業務を円滑に進めるだけでなく、労働時間を適正に把握するうえでも重要であることを認識していただければと思います。

 

 さらに、労働時間をリアルタイムに把握することが重要です。これは36協定を遵守することとも密接に関連しています。「時間外労働の限度に関する基準」では、一定時間の途中で特別の事情が生じ、原則としての延長時間を延長する場合(いわゆる特別条項を適用する場合)に労使がとる手続を、協議、 通告、その他具体的に定めることと定められています。しかし、36協定の上限超過による法違反が認められる事業場では、1ヶ月の終わりに事後的に通知するに留まる、もしくは全く手続きが取られていないなど形骸化していることが多く見られます。

 

 このような手続きを行う前提として、ラインの上司や人事総務担当者がリアルタイムに労働者個人の労働時間を把握していることが必須となるかと思います。タイムカードや紙ベースの自己申告で労働時間を把握している場合は、労働者または管理者に日々の時間外労働の累積時間数を記入・報告してもらうだけでも構いません。業務割当を変更する権限のある者が労働者の労働時間をリアルタイムに把握し、できるだけ早いタイミングで対策をうつことができる体制となっているか一度ご確認いただければと思います。

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 本当は長時間労働抑制のために普段から考えていることを書こうと思っていたのですが、紙面の都合上泣く泣くカット。(´・ω・`)(´・ω・`)