最強の学問(?) 統計学(1) 東大公開講座: 4/27
G.W.の初日に、東大の公開講座に行ってきました。
最強の学問(らしい?)統計学をなんと驚きのプライス 5000円(全3回)で学ぶことが出来ると聞き、応募した次第です。
<プログラム> <最強の学問らしいよ>
◆公開講座ってどんなもの?
・会場は700名程度の大会場
・参加者の2/3近くが白髪交じりのお爺さん
インテリ風な方も多く東大OBも少なくなさそうでした。
・高校生と東大生はなんと無料
しかし、若者は殆どいませんでした。若者に対するPRのしかたを再考したほうがいいのかなと思いました。
・研究の最先端にいる教授が講演者
統計学は学際的な色彩の強い学問であるため、社会学/経済学/法学/医学/薬学 etc.など学部の枠を超えた教授が多数登壇。
◆講義メモ
・統計ことはじめ : 佐藤 俊樹(社会学)
統計の本質とは
①集めて測る
②直接見えないものを推測する
③「だいたい」を「正確に」見積もる
少しわかりにくい③について解説しましょう。
統計には誤差はつきものです。そのため統計学は当てにならないと思っている方もいるかと思いますが、統計学はその上をいきます。
どの程度の誤差が出るのか、また誤差を少なくするにはどの程度の手間がかかるのかを正確に見積もることが統計の本質です。
" 誤差を完全になくすことは不可能 ” という前提に立ち、どの程度許容できるのかを統計調査の目的に合わせて考えるまでが統計学の役目です。
佐藤(俊)先生は、" 分からない程度・範囲を分かるようにする学問 " と上記③の性質を換言していました。
・国勢調査の「美談」分析 : 佐藤 健二(歴史社会学)
1920年(大正9年)に実施された日本初の国勢調査に関する歴史学研究。国勢調査は全国民を対象とする調査であり、5年おきに実施されます。
今では信じられないことですが、最初の国勢調査は最初の出来事ということもあり、国民的お祭りのような盛り上がりであったそうです。
大日本帝国憲法発布の日がお祭り騒ぎだったというような歴史的事実と類似現象が起こったのだろうと推測できます。
国勢調査員はさながら国家任務を帯びた特使のような意気込みで調査にあたり、調査される側も10/1午前0時付け調査という触れ込みであったため、真夜中に今か今かと玄関前で調査員を待っていたというケースも少なくなかったそうです。
・新薬の開発と承認審査における判断 : 小野 俊介(薬学)
新薬の開発は、以下のプロセスで進みます。
薬効評価(薬が病気に効くか)非臨床試験→臨床試験(いわゆる治験)
承認申請(薬効評価の妥当性・倫理面の評価)厚労省の審査
プラセボ(偽薬)を用いることで、薬が本当に効いていることを証明することが、薬学研究の目的です。ここでの統計の役割は、偽薬をランダムに投与することで、証明が確かなものだと裏付けることです。
但し、患者にプラセボだということがかなりの確率でバレているかもしれないという有力研究があったり、精神的な病に関する薬の効き目は、身体的特徴で判断しづらく、患者の感じ方に頼らざるをえないが、プラセボで気分が軽くなるのであれば、それは ”効いている” といえるのではないかという異論があったりするそうです。
統計学を適切に使ったとしても、その結果に対して様々な捉え方をすることが可能だということを知りました。
◆所感
・「大体」を正確に捉えることが統計学の本質
統計学は、物事を完全にはとらえることはできないという現実的な
学問であるがゆえに、様々な分野に活用されているのだと感じました。
次回以降は、法学・経済学・医学などの先端分野で統計学がどのように役立っているかということに関する講義になる模様です。
・「統計学は最強の学問である」を読み込むこと
この公開講座に参加しようと思ったのは、この本の影響があったからです。
「統計学は最強の学問である(西内 啓)」
Amazon: http://amzn.to/SEd4JV
一読はしてみたものの、後半1/3の専門的な章は理解できていないので、再度読み込み、関連書籍も参照して、次回講義(5月末)に臨みたいと思います。
!!ばっ!!<おしまいの合図>!!ばっ!!