yamachan blog  (社会派うどん人の日常)

コシのつよいうどんのような、歯ごたえのある記事をお届けします。

そうだ、「映画:選挙2」を見てから、選挙に行こう!

7/21(日)参議院議員選挙 投票日

 

その前に、是非見ておきたかった映画がある。

 

選挙2(監督:想田和弘)」

 

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<概要*公式HPから抜粋>

舞台は、2011年4月の川崎市議会選挙。震災で実施が危ぶまれた、あの統一地方選挙

映画『選挙』(07年)では自民党落下傘候補だった「山さん」こと山内和彦が、完全無所属で出馬した。スローガンは「脱原発」。自粛ムードと原発「安全」報道の中、候補者たちは原発問題を積極的に取り上げようとしない。小さな息子のいる山さんはその状況に怒りを感じ、急遽、立候補を決意したのだ。

かつて小泉自民党の組織力と徹底的なドブ板戦で初当選した山さん。しかし、今度は違う。組織なし、カネなし、看板なし。準備もなし。選挙カーや事務所を使わず、タスキや握手も封印する豹変ぶりだ。ないないづくしの山さんに、果たして勝ち目は?

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選挙ドキュメンタリー映画といえば、人気(?)泡沫候補マック赤坂大阪市長選を追った「立候補(試写会版)」を見たことがあるが、この映画はふつうの映画とは違って、「観察映画」という手法をとっている。

 

What's 観察映画?! 抜粋:著/想田和弘 『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』

(1)被写体や題材に関するリサーチは行わない。

(2)被写体との撮影内容に関する打ち合わせは、原則行わない。

(3)台本は書かない。

(4)機動性を高め臨機応変に即応するため、カメラは原則一人で回す。

(5)必要ないかも?と思っても、カメラはなるべく長時間、あらゆる場面で回す。
(6)撮影は、「広く浅く」ではなく、「狭く深く」を心がける。

(7)編集作業でも、予めテーマを設定しない。

(8)ナレーション、説明テロップ、音楽を原則として使わない。

(9)観客が十分に映像や音を観察できるよう、カットは長めに編集、余白を残す。

(10)制作費は基本的に自社で出す。

 

予定調和を排し、メッセージは観客に読み取ってもらうという映画のようだ。

 

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では観察映画で、私が観察したものの一部をお届けしよう。

 

①市民に無視され続ける街頭挨拶

この映画の1/3くらいは街頭挨拶のシーンである。そこで映る光景は衝撃だった。

懸命に挨拶をする候補者。しかし殆どの人はビラを取ってくれない…

ティッシュ配りやら居酒屋のキャッチのほうが、よっぽどやる気が出そうな仕事だと思いながら見ていると…途中でそれを象徴するようなシーンが…

 

 

チキンレースとなってしまっている選挙活動

これは主人公の山さんの言葉である。

「挨拶だけの街頭演説なんて効果はプラスマイナスゼロ、新聞の調査でも証明されているんです。でもやめられない。なぜか??これをやめると当選しないと思い込んでいるんです。私はこんなチキンレース選挙活動はもうやらない。」 

 

多くの人たちはこの山さんの言葉に頷くだろう。

実際、彼は無駄な手間とカネを省いた選挙活動を行った。やったことは、ポスター掲示と挨拶用のはがきポスティング、そして前日のみの街頭演説。

果たして、山さんの運命やいかに。

 

それとは対照的に、山さんと同じように旧来型の選挙活動に疑問を抱きつつ、自分は格好悪いと思いながらも、ただ自分は挨拶回りがベースにならざるを得ないのだと、カメラに向かって思いのたけを吐露した候補者の方もいた。

これもまぎれもない真実で、名前と顔を知ってもらわなければ投票してもらえる可能性は限りなく低くなる。

ネット選挙解禁とメディアは騒いでいるが、短期的には挨拶回り中心の選挙は変わらないだろうと私は感じた。

 

 

③選挙に行ってくれ!と叫ぶ候補者の想い

たった一日、一度きりの街頭演説で、山さんは川崎市の中心でこう叫んだ。

「私に投票しなくていいんです。でも投票には行ってください。これは候補者14人全員の思いです。」 

 

地方議会選挙は当選者が複数いる。この映画の選挙区では14人中9人が当選する。一人しか当選しない首長選挙とは違い、候補者同士で罵り合うようなことはあまりなく、友人のような、同志のような、時には戦友のような態度でお互いを尊重しているシーンが多く見られた。

 

彼の言葉は風変わりな候補者が言ったきれいごとかもしれないが、映画に映る他の候補者のうち、直接そう言ってはいないものの、彼と同じ想いをもって選挙を戦っていた者もいたように、私には感じ取れた。 

 

 

 

私のレビューを見て、すこしでも引っかかった部分のある、あなた!

 

選挙2を見て、選挙に行こう!

全国17館で上映中。

東京にお住まいの方は、シアターイメージフォーラム@渋谷へ急げ!

 

 

!!ばっ!!<おしまいの合図>!!ばっ!!